ウクライナとロシアの緊張により原油価格が上昇している理由について解説します。
エネルギー源供給の減少
主な理由は、国際政治的な動きにより、ヨーロッパへの原油の供給が減少することです。これには2つの機序があります。
1つ目に、ウクライナを経由してロシアからヨーロッパに原油を運ぶパイプラインが停止してしまう懸念が挙げられます。ロシアがウクライナに侵攻することで、パイプラインが物理的に壊されてしまうのでは無いか、という不安です。
2つ目に、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプラインであるノルドストリーム2をドイツ側が停止することに言及していることが挙げられます。ロシアへの制裁として、天然ガス輸入を停止するというわけです。これらの機序でエネルギー源の供給が減り、価格が押し上げられています。
脱炭素化によるもの
近年の脱炭素化の動きに対抗してOPECをはじめとする産油国や天然ガス生産国であるロシアが供給減少、価格上昇に踏み切っていることも要因とする見方もあるようです。